出来るエンジニアになるには

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エンジニアとしてのスキルとビジネスのためのスキル

システムエンジニア(SE)として仕事をしていくためにまず絶対的な条件になってくるのが技術力です。

当然のことですが何らかの仕事の受注があっても、その要件を満たす事ができる能力が社内になければ仕事そのものを受けることができません。

ですのでシステムエンジニアとしての能力として最も重要なのが、クライアントが求める技術の要件を満たすとともにそれをいかに短時間でこなしていけるかということと言えます。

しかしながらそうした高い技術力もそれさえあればよいというわけではありません。

工場での部品の組み立て作業とは異なり、SEとしてのプログラム作成の仕事においてはすべての案件が全く同じことを繰り返せばよいということはないからです。

高い技術力を持っているということがエンジニアとしてのスキルならば、そうした業務と関連するクライアントとの話し合いをしていく能力がビジネスのスキルです。

これから「出来るエンジニア」を目指すなら、この2つのスキルを同時に伸ばしていくという気持ちが必要になってきます。

ビジネススキルを高めていくためには

IT系の技術者の多くは、性格的にあまり交渉力や対話力が高くなかったりします。

他を寄せ付けないほどの高い技術があるという人ならば無理に会話力に頼らくても仕事をとっていくこともできるのでしょうが、残念ながら実際の仕事として受注される案件の多くはそれほど完璧な技術力が必要になるということはなく、むしろそれを遂行するための話し合いの方が重要になるということが多くなっています。

また企業と連携しながら一つのプロジェクトを進めていくということを考えた場合には、最初に求められるプログラムの要件定義を正しく読み取り、間違いなく進行させていくという能力も必要です。

一緒に仕事をしていく社内外のスタッフときちんと話し合いをして、揉め事や後戻りがないようにしていくという能力こそがエンジニアに求められるビジネススキルであり、それができるかどうかが最終的な成果物の仕上がりを左右してきます。

営業担当者と同行してクライアントへのプレゼンに協力していくという場面もいまどきのSEには非常によくあることなので、そうしたときの能力も今後ニーズとして高まっていくことでしょう。

経営感覚を持ち仕事をしていくということ

技術職についている人にありがちなのが、その業務においてかかる業務コストについてあまり考えずに仕事をしていくということです。

技術的な完成度だけを求める場合には時に職人的な仕事の方法になりがちであり、それが当初予定していた予算を大幅に上回ってしまうということもあります。

しかし「出来るエンジニア」としてクライアントや営業が求める仕事をしていくためには、技術的な完成度だけではなく納期や金額において相手に満足ができるような数字を提示していくことも求められます。

これからのエンジニアの仕事においては、原価意識を持つとともに業務における赤字・黒字の感覚を持っていくことが必要になってきます。

求められるシステムエンジニアとは

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これからのSEに求められる資質とは

システムエンジニア(SE)という仕事が一般的な職業名称として定着するようになったのはおおよそ20年ほど前のことです。

職業として登場してきた時期には、一般的な工業関連の技術者同様に特別な知識や技能がある人が適するという認識が多くの現場では持たれていました。

しかしながらこの20年あまりの間に国内外におけるIT業界の様子はかなり大きく変化をしており、SEという仕事をしていくにおける資質にも大きく様変わりをしてきています。

簡単に言えば完全な技術職として閉鎖的な環境において必要な作業をしていくことができればよい、という状況はなくなり、場合においては営業者やクライアントとしっかりと話し合いを行い仕様についてのアピールなどをしていく能力も求められるようになってきたということです。

IT関連の技術はインフラとしては一般的な生活にも使用されるものになっていますが、細かい技術についてはほとんど全くわからない人が過半数です。

そうした技術的に明るくないクライアントに対して、これから導入をしようとしている技術はどういうものであるかということを専門家の視点からきちんと説明をしていかないといけません。

アウトソーシングやフリーランスならより高度な能力が必要

日本におけるIT関連業界は非常に複雑なしくみをしており、大規模なプロジェクトを行うという場合などでは下請けから孫請け、さらにその下請けといったような広い裾野で実際の作業を行うことが一般的です。

IT関連業として運営している会社では、そうした大手からの下請け・孫請けを受けるためには人脈をつくり担当者から必要な情報を引き出していくための力が重要になってきます。

元請けの担当者の人が実際にSEの仕事を経験しており、そこから営業や企画をしているというならいいのですが、ほとんどの場合においては実際の業務が未経験のままクライアントとの話し合いで仕様を決定しているというのが現状です。

そうしたときに技術者としてきちんとできることとできないことを説明し、そこから必要な報酬はいくらになるかということを交渉していかないといけません。

同一の企業の中だけで作業が簡潔していればそうした交渉は中間管理職や営業職の人が行うべきことですが、他の企業に委託をするアウトソーシングで行うというときにはきちんと意思疎通ができる仕組みを整えていく必要があります。

こうした交渉術は今やSEとしての重要スキルの一つと言ってもよいほどになっています。

クレーム対応をきちんとすることができるか

交渉力としてより高い能力が求められてくるのがクレーム対応です。

SEの仕事として多いのが、一般企業からの依頼をうけてクライアント企業のサービスをサイトで行うことができるようにしていくというものです。

しかしネットを閲覧する環境というのは使用者によってそれぞれ異なっており、かつすべての人が正しく機能を使っていくことができるわけではありません。

そうした思うような操作ができなかったという人からは時に厳しいクレームが寄せられるということもあります。

クレーム対応は専門の部署が用意されていることもありますが、技術的な内容についてはSEが直接対応をしなくてはいけないこともあります。

その場合に自分の意見だけに固執をせず、どこまで柔軟な対応をしていくことができるかということもSEとしての業務になってきます。

システムエンジニアに必要な素質

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理系/文系は今では関係ありません

システムエンジニア(SE)の仕事は専門的な知識が必要になる仕事ですが、現在仕事をされている人ということでみるとあまり学歴は重視されないことが多いようです。

情報処理関連の大学や短大、専門学校を卒業した人にとってはまさに専門分野になりますのでそうした方面からの就職をされる人というのは多いのですが、必ずしもそうした学歴がなければ就業ができないということはありません。

むしろそうした学歴よりも、本人がいかに使用する技術に対して興味を持ち自己研鑚をしていくことができるかということの方が重要であるというふうに言えます。

SEの仕事といっても使用される技術の内容はそれぞれ全く異なるということもよくありますので、その時に必要とされる技能を持ちあわせているかということが重要です。

どれだけ優秀なエンジニアであっても、現在使用されているプログラミングの技術のすべてを完璧に習得するというこはまず無理なので、どこに自分の専門性を作りそこから仕事を見つけていくかということが大切になってきます。

逆に言うと、広く浅くということではなく狭くても深くその技術についての知識があるかということの方がエンジニアとしての職業価値は高くなります。

固定観念だけでは仕事をしていくことはできません

システムエンジニアの仕事とは、まずは営業やプランナーから請け負った仕事についての仕様書を受け取りそこから必要なプラグラミングを割り出して実際の作業をしていくということです。

完全にプログラミングのみを請け負うという場合には「プログラマー」と呼ばれたりしますが、ほとんどの業務のケースにおいては営業の方やクライアントの方と話し合いをしながらどういったプログラミングが必要になるかということを話し合いで決めていくため現場業務と仕様決定という2つの過程に関わっていくことが仕事になります。

またプログラミング制作業務においては当初予定していた仕様が制作の途中で何らかの変更が加えられたり、実際に制作をしたプログラムが実装をしたときに思わぬ不具合を起こしてしまうということもよくあります。

そうした不測の事態が起こったときには、SEは柔軟な思考で最善の解決方法を提案して行動していく必要が出てきます。

一見ミスを極力起こさないようにする堅い仕事のように思えるSEですが、実際にはかなり柔軟な対応ができるかということが仕事をしていく上で重要な要素になってきます。

体力が求められる部分も多いです

知識や技術もそうですが、場合によってはそれ以上にSEとして必要とされることもよくあるのが「体力」です。

SEやその他のIT技術関連業界においては35歳定年説がよく語られるのですが、これは年齢が高くなることで技術についていくことができなくなるということだけではなく、もう一つ体力的につらい部分が多くなってしまうことが関係しています。

IT業界においては急な納期変更や急ぎの仕事が発生することがよくあり、時期によっては徹夜をしてでも納期日までに絶対に仕上げなくてはいけないという場面も出てきます。

そのためどれだけ技術があっても、体力がなく期日内に仕上げることができなければSEとしての業務を全うすることはできません。

ですので年齢にかかわらず丈夫な体を持っているということがSEという仕事を続けていくためも重要な要件となってきます。