[改訂3版] 図解でよくわかる ネットワークの重要用語解説

この本の概要

SEとして実際に仕事を経験されてきたきたみりゅうじさんが、やや趣を変えてまじめにSEとしての仕事に役立つ参考書としてまとめたのが本書です。

同名の書籍は以前より刊行をされてきましたが、時代の変遷により一般的に使用されるネットワーク関連技術というのは様変わりをしていることもあり定期的に改訂が行われています。

[改訂3版]図解でよくわかる ネットワークの重要用語解説はそんなふうにして第3段として登場した2009年刊行の本であり、SEとして実際にネットワーク構築に携わっている人でないと理解がしづらいITの専門用語をわかりやすく解説してくれています。

この手のIT技術書というのはどうしてもわかりづらく勉強をしようとしてもなかなか頭に入ってこないということもよくあるのですが、本書はきたみりゅうじさんのかわいいイラストがわかりやすく配置をされており、全くのIT初心者でも安心して読み進めていくことができます。

この本がおすすめの人

作者のきたみりゅうじさんは実際にSEや営業職として長年IT業界で仕事をされてきただけあって、本書で紹介されている内容は単なる技術の解説ではなく実際にどういったところで使われるかといったことを含む大変実務的なものです。

ですのでこれからまさにSEを目指す勉強をしようと思っている人などにとっては大変便利な入門書となります。

SEとして専門の仕事を目指す人だけでなく、自分でもある程度セキュリティやネットワークの構築をしたいと思っている一般の人にとってもおすすめで、普段自分が使っているネットワークインフラの正体はどういったものかを概念として理解をしていくことができます。

SEのフシギな職場―ダメ上司とダメ部下の陥りがちな罠28ヶ条

この本の概要

この本の前作にあたる「SEのフシギな生態」では語り尽くすことができなかった内容を補足する意味で新たにエピソードを追加した本です。

前作が主にSE本人の心構えや業界内のSE全般の傾向ということについて焦点を当てていたのに対し、今作では社内外で一緒に仕事をして行かざるをえない「上司」と「部下」についてのエピソードを中心に紹介しています。

仕事をしていく上でなかなか自分の思うように動かすことができないのは「人」ですが、その中でもかなりトンデモな思考回路で仕事を進めてくる人たちにはSEならずとも苦労をしてしまうものです。

本書の中で登場してくるのはいわゆる「ダメ上司」「ダメ部下」の代表のような人たちばかりですが、そこを反面教師として「良き上司」「良き部下」となるためにはどういったことに気をつけていくべきであるかということを提案してくれます。

この本がおすすめの人

SEの仕事は単独で完結をすることはなく、必ず上司や部下などそれぞれの役割を担っていかなくてはいけません。

ただSEという仕事においては、実際にプログラミングを担当する人とその上流工程で企画だけを行う人との間に大きな認識があることも多く、それがしばしばむちゃくちゃな指示になって降りてきてしまうこともあります。

この本がおすすめなのはまずそんな厳しいSE業界に身を置き何度も理不尽を味わってきたような人です。

SEという仕事業界ならではの理不尽な指示はどういった人が作り出しているかや、さらに自分の下流工程にあたる人にどういう指示を出すべきであるかというかということを実例を元に勉強することができます。

きたみりゅうじさんの本全体に言えることなのですが、そうした理不尽な人たちを前にしてもただ不満や怒りをぶつけるだけではなく、そうした業界全体のおかしさはどこからくるものかということを自分自身を含めて謙虚に反省をされているので、読み終わったあとに嫌な気分になるということはありません。

他人事として面白く読むのも一つの方法ですが、自分の仕事ぶりを振り返る意味にもぜひ使っていきたい一冊です。

SEのフシギな生態―失敗談から学ぶ成功のための30ヶ条

この本の概要

SEとして仕事をしている人なら一度は経験したことがある「やってられるか!」な事例と、自らおかしてしまった致命的なミスなどについて具体的な事例ごとに紹介してくれています。

SEの仕事をしたことがある人や現在まさにそういう立場におかれている人にとってはつい「あるある」と大きくうなずいてしまうことも多く、読みながら何度も「よく言ってくれた」という気持ちになります。

理不尽な命令を下したかと思えばそれを思いつきでコロコロと変更してくる上司や、自分の出した指示をほとんど理解していないままに動く部下、さらによくわかりもしないのに技術的なことに無茶な口出しをしてくるクライアント。

そんなどのSEの現場にもありがちな事例についてのエッセイです。

この本がおすすめの人

作者であるきたみりゅうじさんは他にもSEの仕事についての書籍を何冊も出されていますが、本書はどちらかというとノウハウ本よりもエッセイとしての要素がかなり多く含まれています。

ですので積極的に「SEとしての仕事の参考に」と気合を入れて読み込むよりは、もっと軽い読み物として目を通していく方がよいと思われます。

ただ全くSEの仕事未経験の人にとっては、一般生活の中にあるIT技術を支えるプログラミング技術がどういった流れの中で出来上がっていくかということをかなりシリアスに理解をすることができるお話ではあるのでそういった人にもおすすめです。

よく「IT土方」というふうにSEの仕事が揶揄されることがありますが、これは決して大げさな言い方でもなんでもなく、かなり体力と根性がなければ仕事を続けていくことができないのだということをより世間的に多くの人には知ってもらいたいところです。

そしてできることならこうしたIT業界に蔓延する不思議な悪習を改善するべく、発注者や上司として業界を動かす人にもSE本人以上に尽力をしてもらえるきっかけにしてもらいたいですね。