これからのSEに求められる資質とは
システムエンジニア(SE)という仕事が一般的な職業名称として定着するようになったのはおおよそ20年ほど前のことです。
職業として登場してきた時期には、一般的な工業関連の技術者同様に特別な知識や技能がある人が適するという認識が多くの現場では持たれていました。
しかしながらこの20年あまりの間に国内外におけるIT業界の様子はかなり大きく変化をしており、SEという仕事をしていくにおける資質にも大きく様変わりをしてきています。
簡単に言えば完全な技術職として閉鎖的な環境において必要な作業をしていくことができればよい、という状況はなくなり、場合においては営業者やクライアントとしっかりと話し合いを行い仕様についてのアピールなどをしていく能力も求められるようになってきたということです。
IT関連の技術はインフラとしては一般的な生活にも使用されるものになっていますが、細かい技術についてはほとんど全くわからない人が過半数です。
そうした技術的に明るくないクライアントに対して、これから導入をしようとしている技術はどういうものであるかということを専門家の視点からきちんと説明をしていかないといけません。
アウトソーシングやフリーランスならより高度な能力が必要
日本におけるIT関連業界は非常に複雑なしくみをしており、大規模なプロジェクトを行うという場合などでは下請けから孫請け、さらにその下請けといったような広い裾野で実際の作業を行うことが一般的です。
IT関連業として運営している会社では、そうした大手からの下請け・孫請けを受けるためには人脈をつくり担当者から必要な情報を引き出していくための力が重要になってきます。
元請けの担当者の人が実際にSEの仕事を経験しており、そこから営業や企画をしているというならいいのですが、ほとんどの場合においては実際の業務が未経験のままクライアントとの話し合いで仕様を決定しているというのが現状です。
そうしたときに技術者としてきちんとできることとできないことを説明し、そこから必要な報酬はいくらになるかということを交渉していかないといけません。
同一の企業の中だけで作業が簡潔していればそうした交渉は中間管理職や営業職の人が行うべきことですが、他の企業に委託をするアウトソーシングで行うというときにはきちんと意思疎通ができる仕組みを整えていく必要があります。
こうした交渉術は今やSEとしての重要スキルの一つと言ってもよいほどになっています。
クレーム対応をきちんとすることができるか
交渉力としてより高い能力が求められてくるのがクレーム対応です。
SEの仕事として多いのが、一般企業からの依頼をうけてクライアント企業のサービスをサイトで行うことができるようにしていくというものです。
しかしネットを閲覧する環境というのは使用者によってそれぞれ異なっており、かつすべての人が正しく機能を使っていくことができるわけではありません。
そうした思うような操作ができなかったという人からは時に厳しいクレームが寄せられるということもあります。
クレーム対応は専門の部署が用意されていることもありますが、技術的な内容についてはSEが直接対応をしなくてはいけないこともあります。
その場合に自分の意見だけに固執をせず、どこまで柔軟な対応をしていくことができるかということもSEとしての業務になってきます。