新卒はツラいよ!

この本の概要

若手SEの苦悩(?)をおもしろおかしく紹介してくれるということで有名なきたみりゅうじさんの著書の一つです。

他にもたくさんのSEに関する書籍を上梓されているきたみりゅうじさんですが、この「新卒はツラいよ!」は中でもご本人が一番の代表作として紹介されているように、かなり力の入った作品となっています。

本書の舞台になっているのはきたみりゅうじさんご本人が新卒として初めて入社したあるIT企業で、入社~4年めまでの新人から中堅(SE業界では人材不足が続いているため新人から中堅になるまでの時間が他の業界より短いのです)になるまでの過程を描いています。

SEという仕事の現場が外部から想像ができないほどに過酷なものであるということは既によく知られていることですが、この本が出版された2000年台後半という時期はまだそうした情報も今ほど周知がされていたわけではありませんでした。

そうした意味でこの本がのちのSEという仕事へ世間的な注目という意味で果たした役割は大変大きいと言えます。

この本がおすすめの人

この本がもっともおすすめできるのは、新卒や入社数年くらいで今の仕事に悩みを持っている人全般です。

実際にSEとして仕事をされている人はもちろんですが、他の業種の人でもあまりにも忙しすぎて理不尽な仕事内容に悩むケースは多いのでおそらく共感できる部分は多いのではないかと思います。

「苦労して就職活動をしたのだから」「仕事とは、社会とはそういうものだから」と諦めて納得できない仕事をしている人も、今すぐにでも辞めたいと思い詰めている人にも、同じような環境に身をおいて悩んできた先輩の姿というのはとても参考になるのではないかと思います。

またただ不満や怒りを共感するだけでなく、本の中ではどういったやり方で切り抜けていくべきだったかといった先輩からのアドバイスもあるのでこれから仕事を始めようとする学生にとっても大変参考になります。