この1冊ですべてわかる SEの基本

この本の概要

SEという職業は具体的に何をどうする仕事をするものなのかということを説明してくれる本です。

IT業界においてSEという仕事の名称こそは一般的に定着をしたものの、実際に仕事に従事している人以外にとっては具体的に何をしている人たちなのかということが伝わりにくい部分が多くあります。

またこれからIT系技術者を目指している学生にとっても、SEとして勤務をするということは具体的にどんなことを担当し、将来的にどんなキャリアパスがあるかということが今ひとつ不明確であったりもします。

そんなときに実際にSEとして勤務経験のある作者が書いた本書を読んでおくことで、SEとして働くということはどういうことなのかということを知り心の準備をしておくことができます。

SEを目指す人のための本というとどうしても技術面について説明をした参考書などが多く、実際に仕事をしていくための技能について触れたものというのはあまり見かけません。

そういう意味でこの本はやや異色なSE向け書籍となっており、未来のSEのみならず現役SEの方も一度は目を通してもらいたい本です。

この本がおすすめの人

まず一番におすすめとなるのは、これからSEとしてIT業界に入って行こうと思っている人材です。

就職に有利だからとまずは情報処理系の専門学校や大学に入りそこで技術を習得をしてみたものの、そこからどういった仕事をする人になりたいかというビジョンが見えないという人にはまさにぴったりの本というふうに言えます。

ただしSEとして必要な技術や言語の解説をしている本ではないので純粋に技術力をアップさせたいという人には不向きです。

しかしIT系を含み技術系の職種というのは全体的に自分の技術力向上に興味はあっても、周囲のスタッフとどういうコミュニケーションをとってどのように仕事を進めていくのが最もよい方法かといった部分にはほとんど気を払わないということがよくあります。

これまで技術を伸ばそうと努力を重ねてきたのだけれどもここのところ仕事がうまく運ばず自分のSEとしての適性に疑問を感じるようになったという人には、一端自分のキャリアや仕事に対しての姿勢を振り返るという作業が別の道を見せるための手段になったりします。

そういう意味でより長くSEの仕事を続け、高度な仕事を担当したいという人にこそこうした本は必要だということができます。

本の注目点と要所ハイライト

本の内容は第0章~第6章までの7部構成になっており、それぞれの項目別にSEという仕事について別々の側面から解説をしています。

具体的には第0章の「SEって、いったい何をする人?」といったごく基本的な内容に始まり、第5章の「これだけはマスターしたいヒューマン系スキル」や第6章の「SEとしての自覚と心構え」といった精神論的な部分にまで踏み込んでいきます。

現役SEにもこの本を読んだという人は多く、第5章~第6章の内容は他の本にはまず掲載されていない実用的な内容だという高い評価をしていたりします。

「わざわざ説明なんてされなくてもSEの仕事くらいわかってるよ」という人も、あえて客観的にSEという仕事はどういうものなのかということを知ろうとすることでまた仕事の意味やコツを考えなおすきっかけになります。

転職を考えている人やキャリアを真剣に考える段階に来ている人などにも強くおすすめします。